専任担当者がいない・人手が足りない

まず多くの企業が直面しているのが「人手不足」です。健康経営を推進するには、施策の企画・実行・効果測定といった継続的な対応が求められます。しかし実際には、総務や人事担当が他の業務と兼務しているケースが多く、健康施策に手を回せないのが実情です。

また「社長や経営者自身が一人で抱えてしまっている」という声もあります。本来であれば従業員の健康に配慮することは大切な投資ですが、日々の業務に追われて後回しになってしまうのです。

コストをかけられない

次に多いのが「予算の確保が難しい」という課題です。健康経営というと、「健康診断の充実」や「ジムの法人契約」「産業医の設置」など、費用のかかるイメージが強く、特別な施策を導入しなければならないと思い込んでいるケースもあります。

実際には、必ずしも大がかりな制度を取り入れる必要はありませんが、初期段階では「何にどれだけかかるのか」が見えにくく、導入をためらう原因にもなっています。

社内の理解・協力が得られにくい

最後に見落とされがちなのが「社内での温度差」です。経営層が健康経営の必要性を感じていても、現場の従業員から疑問を持たれたり、「忙しいのに面倒が増えた」と反発されたりするケースもあります。

特に中小企業では従業員同士の距離が近く「これまでやってこなかったこと」を始めるには、丁寧な説明が欠かせません。

このように、中小企業が健康経営を始める際には、人手・予算・社内理解という3つの壁が立ちはだかります。ですが、これらは「仕組みの工夫」や「外部サービスの活用」で十分に乗り越えられるものです。

全部をやろうとしないことが第一歩

健康経営という言葉の印象から「福利厚生を一新しなければ」「制度を整備しなければ」と気負ってしまうケースは少なくありません。ですが実際には、できることから1つずつ始める姿勢が大切です。

例えば、毎朝のラジオ体操や5分間のストレッチを習慣づけるだけでも、従業員の健康意識を高めるきっかけになります。費用もかからず、担当者が一人でも進めやすい取り組みです。

生活に溶け込ませる発想

健康経営は、制度化や目標管理が必要と思われがちですが、実際には日常に自然と健康を取り入れる工夫の方が、継続性と社内の受け入れやすさにつながります。

例えば、株式会社サードライフが提供している「やさいのキラメキ」は、オフィスに旬の野菜や果物を定期的にお届けし、自然と社員が手に取れるような環境をつくります。

「おやつ代わりにミニトマトを」「仕事の合間に果物を」といったちょっとした行動が、栄養バランスの改善や健康習慣の第一歩になります。

「見える効果」を意識して小さく回す

健康経営のもう一つのハードルは「効果が実感しづらいこと」です。だからこそ、小さな成果を見える形にすることが重要です。

例えば「ラジオ体操を1か月続けて感じた体の変化」といった個人の声を社内で共有するだけでも、参加意欲が高まります。

短期間で成果を出すことを目的にするのではなく、日々のちょっとした変化をポジティブに共有する文化づくりが、健康経営の定着に役立ちます。

人手や予算が限られているからこそ「完璧」を目指すのではなく「続けられる工夫」を積み重ねることが重要です。

コスト面の不安には「小さく始める」が効果的

「健康経営にはお金がかかる」というイメージは根強いですが、実際には費用をかけずにできる取り組みも数多くあります。

例えば「残業時間の見直し」「歩いて通勤する社員へのインセンティブ」「水分補給の推奨」などは、コストをほとんどかけずに始められる施策です。

さらに、健康経営優良法人制度を始めとした公的認定を目指す場合、一部自治体では助成金や補助制度を設けていることもあります。こうした制度を活用することで、必要なコストを大きく抑えることが可能です。

時間が足りないなら「外部サービス」を活用する

限られた人員で健康経営を進めようとすると、時間の確保が難しいという課題が浮上します。この場合は、外部の支援サービスを活用することが有効です。

株式会社サードライフが提供する「やさいのキラメキ」もその一つです。企業の手間を最小限に抑えながら、従業員の食生活改善をサポートできます。

また、定期的なオンラインセミナーの配信や、提携している医療・栄養の専門家によるアドバイス提供など、外部の知見を借りながら社内で完結できる体制を整えることも可能です。

ノウハウ不足は「プロに頼る」という選択肢を

健康経営は「何をすればいいかわからない」という声が非常に多い分野です。特に専門知識が求められる分野（栄養指導・メンタルケア・運動指導など）では、社内リソースだけで対応しようとすること自体が負担になります。

そこで重要なのが、信頼できる外部パートナーを見つけることです。健康経営アドバイザーや、専門機関、業界経験のある企業と連携することで、無理なく自社に合った施策を設計できます。

「全てを自社で抱えるのではなく、必要な部分だけ外注する」という柔軟な発想が、中小企業にとっては現実的で有効な戦略です。